そんなに価値があるの?富裕層から人気が集まる珊瑚に迫る!
今、宝石として珊瑚の価値がどんどん上がっていることをご存知でしたか?日本人にとって「珊瑚=宝石」という概念は、あまり馴染みがないかもしれません。しかし、実は世界的に人気で、最高級の宝石である珊瑚の主な産地は、日本なのです。ここでは、珊瑚の価値についてご紹介していきましょう。
なぜ今、珊瑚に人気が集まっているのか
近年、日本の赤い珊瑚が人気を集めており、最近では他国からの密漁などでも注目を集めました。10年ほど前から徐々に価格が上がり始め、現在の相場はかなり跳ね上がっていると言われています。
特に中国では翡翠(ヒスイ)と並び、元々中国の人に人気のある宝石。特に、中国の富裕層には人気が高く、高額でも買い占めようとするため価格が高騰しているようです。
昔から珊瑚が身近だという国もありますが、特にイタリアでは年末年始に赤い物を身に付ける風習があり、その際に赤い珊瑚が利用されるのです。またフランス王室では、赤い珊瑚のネックレスを出産時に身に付ける風習があり、安産祈願として用いられることも。チベットでは、魔よけとして山珊瑚が利用されます。
人気を集める珊瑚の種類
珊瑚というと南の島の「珊瑚礁」を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、宝石になる珊瑚と珊瑚礁は別のものです。「珊瑚礁」は珊瑚の石灰質の骨格などでできた岩礁島のこと。それに対して、宝飾品になる珊瑚は「深海珊瑚」、「宝石珊瑚」と呼ばれており、動物である「珊瑚」からできる特別な宝石のことを指しています。
宝石珊瑚には赤珊瑚(紅珊瑚)、地中海珊瑚、桃色珊瑚、本ボケ珊瑚、白珊瑚などがありますが、採取量が少なくて希少価値ことから、「赤珊瑚」が最も人気を集めているのです。
赤い珊瑚の中でも、日本国内産のものが血赤珊瑚と呼ばれています。特に高知県の近海(土佐沖)で採れる赤黒いものは「血赤(チアカ)珊瑚」、「オックスブラッド」、「トサ」と呼ばれ、最高級とされています。血赤珊瑚は採れる量が非常に少ない上、宝石に加工できるものが10~20%程度しかないので、非常に希少価値の高い宝石です。
血赤珊瑚の価値を決める要素とは?
血赤珊瑚の価格の決め手は、カラーグレード、「ヒ」の有無、「フ」の大小などがあります。それぞれを細かく説明しましょう。
カラーグレード
赤珊瑚の色のグレードは5段階で、濃い色になるほどグレードが上がり、4~5に当たるものが、「血赤珊瑚」と呼ばれています。色が濃く赤黒い程、高級品として扱われるのです。
「ヒ」の有無
「ヒ」とはクラック(縦方向のヒビ)のこと。ヒが無くキレイな状態の物ほど高級となります。
「フ」の有無
日本産血赤珊瑚の特徴として、「フ」というものがあります。これは珊瑚の中に人間の骨のように通っているもので、日本産の赤珊瑚の印でもあるのです。このフは、球形の飾り玉である「丸珠」にカットする際、邪魔になるため、フが少ない血赤珊瑚の方が、希少価値が高いとされています。
さらに価値が上がる要素とは?
ただでさえ貴重な血赤珊瑚ですが、丸珠にカットされているものよりも原木の方が、高い価値があるとされています。また、10mm以上の血赤珊瑚はめったに採れないため、最高級ランクに位置づけされます。
一般的な血赤珊瑚の原木は太い部分で直径が3cm、高さも30cm程度しかありません。更に根元付近の太い部分は岩に付いていることが多く、この部分は丸珠に適していないため、実際には枝部分が使われます。枝部分を使って作る丸珠は、大きくて8mm程度です。また、血赤珊瑚には裏表があり、裏面は穴跡が多いために滑らかな丸珠を取るのは難しくなります。ですから、10mm以上の丸珠は大変希少なものとなり、値段も驚くほど高値になります。
あまり馴染みのない宝石、血赤珊瑚について詳しく解説しましたが、その他の珊瑚も非常に高価な価格がつけられる事があります。「価値はよくわからないけれど珊瑚がある」、「昔に買ったけど付ける機会がない」、「プレゼントでもらったけど使わない」などなど、お手持ちの珊瑚を一度査定に出してみてはいかがでしょうか?驚くような高値がつくかもしれませんよ。