宝石にも相続税はかかる?税金を安くするには【FP監修】

⚠️ 免責事項:本記事は2026年7月時点の一般的な情報をまとめたものです。相続税・所得税の取り扱いや金額の目安は、財産の内容やご家庭の状況によって変わります。個別の判断は、税理士・弁護士などの専門家や、国税庁の公式情報をご確認ください。
大粒のダイヤモンドやアメジストなど…。
買い集めた宝石たちを子どもや孫に相続させる時、相続税はかかるのでしょうか。
結論から申し上げると、相続税はかかります。
ただし一部の人は相続税がかかりません。
今回は宝石を相続させたい人に向けて、相続税の計算方法や相続税を安く抑えつつ宝石を相続させる方法について解説いたします。
宝石にも相続税はかかります

結論から申し上げますと、宝石は相続税の対象になります。
相続税という税金の計算に、宝石の価額が加えられるということですね。
価値が高いほど相続税も高くなります。
品質の良い宝石をお持ちなら、存命中に税金についても考えておきましょう。
宝石に相続税がかからないとき

宝石は相続税の対象になるとお伝えしました。
ところが、相続税がかからないケースもあります。
相続税には基礎控除額というものが設定されており、遺産全体がこの金額以下なら相続税は納税しなくて良いとされているのです。
<基礎控除額>
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
2026年7月現在の基礎控除額は上記のとおりです。(変動することがありますので最新の基礎控除額を必ずお調べください)
遺産全体が3,000万円以下であれば、相続税はかかりません。
また、法定相続人の数によっては、遺産が3,000万円を超えても相続税はかかりません。
つまり、宝石を合わせた遺産総額が3,000万円以下だった場合、相続税はかかりません。
また、遺産が多額に及んだとしても、法定相続人の数次第では宝石に相続税はかからないのです。
なお、法定相続人というのは、民法で定められた遺産を相続する権利を持つ人達を指します。
遺言書に指名された人や一緒に住んでいる人ではありませんのでご注意ください。
<法定相続人>
| 第1順位 | 配偶者と子ども(直系卑属) |
| 第2順位 | 配偶者と父母(直系尊属) |
| 第3順位 | 配偶者と兄弟姉妹 |
例えば、妻と子ども1人を遺して亡くなった場合、法定相続人は第1順位の妻と子どもの2人です。
従ってこの場合の基礎控除額は
3,000万円+600万円×2=4,200万円
遺産総額が4,200万円以下なら、相続税はかかりません。
また、父母や祖父母がすでに他界しており、妹が1人いる状態で亡くなった場合、法定相続人は第3順位の妹1人です。
従ってこの場合の基礎控除額は
3,000万円+600万円×1=3,600万円
遺産総額が3,600万円以下なら、相続税はかかりません。
相続税の計算方法

相続税の計算は次の3ステップで行います。
簡単に思えますが、預貯金だけでなく不動産や株式、絵画などを所有している場合、遺産総額の棚卸しに時間がかかってしまいます。
遺産総額を洗い出す
現金や預貯金、不動産などのプラスの財産と、借金やローンといったマイナスの財産をすべて洗い出します。
宝石ももちろん財産として扱います。宝石の価額の調べ方は下記に記載してあります。
プラスとマイナスの遺産を合計し、そこから埋葬料などを差し引きます。
現預金以外の財産が多いと、この段階で非常に時間がかかります。
相続税の納付期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。
納期限が非常に早いので、預貯金だけでないのなら、早めに専門家に依頼しましょう。
なお、申請することで分割払いも可能です。
間に合わないと思ったら、早いうちに税務署へ相談を。
基礎控除額を差し引く
上記で解説した基礎控除額を計算し、遺産総額から基礎控除額を差し引きます。
差し引きゼロ以下になれば、相続税は発生しません。
しかしゼロにならなければ相続税の納付義務が生じます。
相続税を計算する
基礎控除額を差し引いた数値を用いて相続税額を計算します。
上記で算出した金額を、もし、法定相続人が民法の法定相続分どおりに相続した場合、いくら相続税が発生するかを計算します。
ここで注意したいのが、実際の相続人の相続状況ではないことです。
遺産は法定相続人以外の人にも遺すことができます。
例えば大粒ダイヤモンドのリングを、晩年世話をしてくれた友人の子どもに譲ることもできます。
また、人だけでなく、社会福祉法人のような法人に譲ることもできます。
しかし実際の相続とは関係なく、法定相続人が民法の法定相続分どおりに相続した場合の相続税がかかります。
<法定相続人1人ごとの法定相続分とその相続税率>
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
| 1,000万円以下 | 10% | – |
| 1,000万円超から3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超から5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超から1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 1億円超から2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 2億円超から3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 3億円超から6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm
税率は今後変動する可能性があります。
詳細は国税庁サイトなどでご確認ください。
宝石の価額はどうやって調べる?

宝石を相続させる場合、その宝石にいくらの価値があるかが重要になります。
価値が高いと判断されれば相続税も高くなり、価値が低いと判断されれば相続税は安くなります。
宝石の場合、時価で計算します。つまり、買った時の値段ではなく、今売ったらいくらになるかで価値を見定め、相続税額が決まるのです。
購入店舗に確認する
購入店舗が分かっている場合はその店舗に連絡しましょう。
「◯年◯月にそちらで購入した△△ですが、今売却したらいくらになりますか?」
店舗に当時の記録が残っていれば、買取価格の概算を教えてくれるはずです。
買取店で査定を受ける

購入店舗が不明の場合は、宝石の買取を行なっている店舗で査定を受けましょう
査定額が相続税の計算に使われます。
売却する
相続手続終了までに宝石を売却した場合は、その売却代金が相続税の計算に使われます。
宝石の相続税を安くするには

生前贈与の基礎控除を利用する、一番安い査定額を利用するの2パターンをお伝えします。
生前贈与を活用する
1月1日まら12月31日までの1年間で贈与を受ける場合、年間110万円までなら贈与税がかからないとする制度です(暦年贈与の基礎控除)。
例えば、譲りたい宝石の価値が110万円以下であるならば、この制度を利用して生前に贈与しておきましょう。こうしておけば、相続税の対象にはなりませんし、贈与税もかかりません。
無税で宝石を譲り渡すことができます。
宝石の価値が110万円を超える場合は、亡くなった後で受け取ってもらう方が税負担が安く済みます。
一般的に、贈与税(生前に譲り渡す際にかかる税金)よりも、相続税の方が比較的安く設定されているためです。
複数の買取店で査定をしてもらう

相続税は遺産総額で決まるとお伝えしました。
宝石の額は査定額で決まります。購入時の金額ではありません。
ですから、複数店舗で査定を受け、一番安い金額をつけた査定の証明書でもって相続税額の計算をしましょう。
高価な宝石ほど相続税の節税ができるはずです。
まとめ|宝石は相続税の対象

宝石にも相続税はかかります。
しかし遺産の総額や法定相続人の人数によっては、相続税がかからないケースも見受けられます。
元気なうちに自分の遺産を調べておき、生前贈与するか検討してみてはいかがでしょうか。
もし宝石よりも現金が良いのであれば、宝石を換金して相手に渡すこともできますね。
まずは宝石を査定に出してみましょう。
現在の価値を知って、相続税額を一度計算してみてくださいね。
執筆・監修:ダンシャリ銀座 貴金属・ブランド品担当鑑定士 FP2級技能士
宝石・貴金属・ブランド品・骨董品の査定を専門に担当。遺品整理や相続にともなうジュエリー買取のご相談を数多く承っています。
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