掛け軸を高く買い取ってもらうためのポイント
生前贈与や実家の整理などで掛け軸が出てきても、床の間がなければ処分に困ってしまいますよね。
持て余した掛け軸は、買取専門店に持ち込むのが最適です。
あなたにとって価値のないものでも、喉から手がでるほど欲しい人もいるかもしれないのですから。
今回は高く売れる掛け軸の特徴や高く売るためのポイントを紹介いたします。
高価買取されやすい掛け軸の特徴
掛け軸のプロでなくとも、高く売れるかどうかは下記のポイントで判断できます。
査定に出す前に、掛け軸をチェックしてみましょう。
有名作家の作品
有名作家の作品であれば高価買取が期待できます。
横山大観のような大物作家の作品であれば、無名の作品よりもはるかに高値で買い取ってもらえるでしょう。
掛け軸の隅に押されている署名と落款から作家が特定できますよ。
ただし有名であればあるほど贋作も多く出回っています。署名と落款が有名作家のものであったとしても、偽物であれば買取価格は下がりますのでご注意ください。
高価買取が期待できる有名作家は下記にまとめていますので、掛け軸と見比べながら確認してみましょう。
共箱や二重箱になっている
共箱とは掛け軸を収めている箱のことで、基本的には作品名と作家名が記されています。その掛け軸が作家の作品であることの証明になりますので、鑑定時に重宝されます。また共箱があると、掛け軸のみの場合より2〜10倍の値段がつくことも。
二重箱とは、共箱を収める箱のことです。一般的には漆などで美しくコーティングされており、高価な作品ほど二重箱にされることが多いようです。
しかし二重箱でなくとも価値の高い作品は無数に存在しますので、二重箱がなくとも査定に出すことをおすすめします。
百貨店やデパートで購入した
百貨店やデパートで取り扱っている掛け軸は、一定の品質が担保されたうえで販売されています。つまり偽物である確率が極めて低いということです。
そのため、百貨店やデパートなどで購入したことが明らかであれば、高価買取が期待できます。
もし残っているのなら、購入時のレシートや紙袋なども一緒に査定に出しましょう。
軸先が象牙
掛け軸の両端に取り付ける先端部分を軸先と言います。
この軸先が象牙であれば、優れた作品である可能性が高く、高価買取が期待できます。
現在、象牙は取引が禁止されていますので非常に貴重な品。
掛け軸自体に加えて象牙の価値もプラスされるので、高く買い取ってもらえるのです。
付属品が揃っている
共箱、二重箱、一緒に入っていた書類、鑑定書などの付属品を揃えて査定に出してください。
掛け軸から年代や作家が読み取れない場合、買取価格は著しく下がってしまいます。
しかし付属品から作品の年代や作家が分かれば価値が確定できるため、高価買取につながるのです。
特に共箱は高価買取の要。見当たらない場合はぜひ探してみてください。
中国掛け軸である
中国美術が高騰している関係で中国掛け軸も高価買取が期待できます。
中国掛け軸の最も大きな特徴は「絵画に詩がついている」ことでしょう。
書画書画道源という考え方から、中国掛け軸は「絵画+詩」がスタンダードなのです。
有名作家でなくても高価買取される可能性もありますので、査定に出して鑑定してもらいましょう。
高価買取されやすい掛け軸の作家
高価買取されやすい掛け軸の作家を以下にまとめます。
有名作家の作品であれば、状態が悪くても高く買い取ってもらえることもありますので、ぜひ一度お調べください。
中国の作家
斉白石・呉昌碩・顧愷之・于右任・白雪石・黄慎・呉作人・徐悲鴻など
なかでも斉白石と呉昌碩はコレクターも多いため高価買取が期待できます。
斉白石は中国で人気の高い作家で「中国のピカソ」とも呼ばれていました。
元は農家の生まれで大工として働いていましたが、絵画を学び大成功した人物です。
呉昌碩は詩・書・画・篆刻に精通するアートの天才で「四絶」と称賛されていました。
花の画を得意としており、84歳で亡くなるまでに多くの作品を残しています。
日本の作家
横山大観・上村松園・円山応挙・菱田春草・川合玉堂・伊藤若冲など
特に横山大観は非常に有名な作家です。富士山をテーマとした名画が今もなお高く評価されており「大観と言えば富士」とまで称されています。
近代日本画の巨匠として知られる人物で、波乱万丈な人生を過ごしました。
美術学校に入学して日本画を学び、日本美術院を創設するものの、当初は作品が全く売れず、家族に不幸が襲いかかり、自宅が全焼するなど厳しい試練が降りかかります。
しかしそんな困難にもめげずに日本画を描き続け、ついには語り継がれる芸術家となったのです。
掛け軸を高く売るためのポイント
お手持ちの掛け軸を高く売るなら、下記のポイントを押さえておきましょう。
少し工夫するだけで、より高く買い取ってもらえますよ。
できるだけ早く売る
掛け軸は傷んでくる品物です。
どれだけ丁寧に扱っていても、日にちと共に傷んで価値が下がってしまいます。
そのため掛け軸を売ると決めたら、早めに売るのが得策なのです。
保存するなら乾燥剤を入れて
売るまでの間は、共箱に掛け軸を収めて乾燥剤を入れて直射日光のあたらない日陰で保管してください。
日焼けや色あせを防ぎ、価値が下がらないように注意しましょう。
修繕はしないほうが良い
掛け軸にシワが寄っていたり、虫食いがあったり、汚れが目立ったりしていても、修繕や修復はしないでください。
掛け軸の修繕は非常に難しいものですので、逆に破損させてしまうことも考えられます。
プロに修繕を依頼したとしても、偽物であれば修繕費よりも買取額が安くなることもあります。
自宅などで鑑賞するなら別ですが、売却するなら修繕はせずにそのままの状態で査定に出しましょう。
付属品もすべて揃える
付属品があると、掛け軸単体よりも数倍以上の高値で買い取ってもらえることがあります。
掛け軸の年代や作家を特定する証拠となるだけでなく、付属品にも価値があるためです。
付属品が同じ場所から見つかったなら、掛け軸と一緒に査定に出しましょう。
入手経路を伝える
いつどこで購入したのか明確なものに関しては、査定時に入手経路を伝えましょう。
しっかりした流通ルートを伝って購入した作品は、偽物である可能性が低いため高く買い取ってもらえます。
領収書やレシートが残っていれば、必ず査定時に出してください。
買取専門店に持ち込む
フリマアプリなどで販売するよりも、買取専門店に持ち込むことをおすすめします。
買取専門店よりも買取価格は安くなってしまいますが「安全に」「トラブルなく」売却することが可能です。
掛け軸は有名作家ほど偽物が大量に出回っており、官邸のプロでもなければ見抜けません。
つまり手元の掛け軸が本物かどうかは、査定に出さないとはっきりしないのです。
またフリマアプリの場合、返品対応時には偽物とすり替えられる恐れもあります。
偽物にすり替えられたら大損ですから、リスクの高い取引方法と言えるでしょう。
高額な品物をやり取りする場としてあまり適していないので、買取専門店に持ち込む方がおすすめです。
まとめ
掛け軸を高く売るなら、本記事で紹介した内容を踏まえて査定に出してください。
傷みが酷くても思わぬ高値で売れることもあります。
価値ある掛け軸を欲しい人に繋ぐためにも、捨ててしまわずに買取専門店に持ち込んでくださいね。他の品物と一緒に、大量に買取を依頼したい場合は出張買取や宅配買取が便利ですよ。スマホで簡易的な査定も受けられます。ぜひご活用ください。