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天然真珠と養殖真珠の違い〜ミキモト真珠島を訪ねて

⚠️ 免責事項:本記事は2026年8月時点の一般的な情報をまとめたものです。掲載内容は記事公開時点の情報に基づいており、その正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。本記事の内容を利用したことにより生じた損害・損失・トラブル等について、当サイトおよび執筆者は一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

 

 

真珠といえば淡い光沢を放つ美しいジュエリー。
古来から日本人には親しみがあり、長らく女性たちの宝飾品として君臨してきました。
そんな真珠ですが、その多くが養殖だとご存知でしょうか。

今回は天然真珠と養殖真珠の違い、そして、養殖真珠がどこでどのように生まれたのかを紹介いたします。

天然真珠と養殖真珠の違い

天然真珠と養殖真珠の大きな違いは3つ。
真珠の核が違うこと、そしてその希少性と価格です。

真珠の核

真珠は、貝殻の内部に異物が入り込むことをきっかけに作られます。
天然真珠の場合、核はほとんど存在しません。あってもごく小さなものです。
一方で、養殖真珠の場合、人為的に埋め込んだ異物が核となり真珠を形成します。
どちらにせよ貝の分泌により真珠層が形成される点は同じです。

天然真珠はいびつなままでもアクセサリーに使用されますが、養殖真珠は真球が市場に流れます。
ですから形で判断することもできなくはないですが、丸い天然真珠もあればいびつな養殖真珠ももちろん生まれますので、その真珠を外から見ただけで天然か養殖かを判断するのはほぼ不可能なのです。
あえて調べるとすれば、真珠を真っ二つに割り、中に核が存在するかを確認するほかないでしょう。

希少性

天然真珠は1000個の貝の中に、1個あるかないかの大変希少で高価なもの。
真珠は、真珠を作る貝(アコヤ貝など)の中に偶然異物が入り込むことで作られるものです。
しかも天然真珠には核がありません。ですから大きな真珠ができるまでには長い年月が必要です。
そのため非常に数が少ないのです。当然ですが、市場にはほとんど出回りません。

対して養殖真珠は安定的に供給されています。
後述します御木本氏の尽力により、真珠の養殖方法が確立されたためです。
光沢の良い大粒の真珠がいつでも手に入ります。

ちなみに現在「天然パール」と称されている真珠は、「本物の真珠です。イミテーションではありません」と謳っており、天然真珠ではなく養殖真珠であることがほとんどです。
自然と形成された天然真珠を指しているのではありませんのでご注意ください。

価格

天然真珠がもし市場に出回るとすれば、養殖真珠とは比べ物にならない価格になることでしょう。
ミキモト真珠島内の真珠博物館には、天然真珠を用いた重厚なアクセサリーの数々が展示されています。
これらは世界中から買い集められたものだそうです。
つまり、会社が買い集めて博物館に陳列するくらいには高価な代物なのです。

養殖真珠はというと、確かに1粒数十万円、数百万円もする真珠もあります。
しかし千円程度から購入できる真珠も販売されています。
天然真珠と比較すると、非常に安価な値段で購入することが可能です。

養殖真珠ができるまで

安定供給される養殖真珠ですが、できあがるまでには5年以上の歳月を要します。
核入れ以外は自然のなせる技ですので、長い年月がかかるのです。

母貝の育成

真珠を育んでくれる貝を養殖します。
すでに大人になっている貝を使うのではありません。真珠を育てる貝を、受精卵の時期から育てます。

まず健康で元気な雌雄の貝を水槽に入れ、温度調節などで精子と卵子の放出を促します。
晴れて受精卵になると、水槽に沈んでいた小さな受精卵たちは水面に上がってきます。

30日もすると稚貝になります。
まだ非常に小さな粒でしかありませんが、それでも二枚貝の形をしています。

60~70日後、稚貝が2~3㎜になると、水槽から自然の海へ移します。
稚貝は目の細かいカゴに入れていますので、魚などに食べられる危険性はありません。

核入れ

稚貝はプランクトンを食べながら大きくなっていきます。
成長に応じて入れるカゴの目を変え、くっつきあっていたら切り離して、と、この時点でもかなりの作業量が発生します。

1年ほど経ち、母貝が大きくなると、核入れの準備を始めます。
核入れは母貝にとって高ストレスな行為。へい死率や脱核率を下げるために、事前にストレスを与えておきます。

ストレスに慣らした母貝に、核とピースを挿入します。
核は真珠の芯となる物質です。他の貝の貝殻を真球に磨いたものが使用されます。
ピースとは、真珠質(真珠層を作るもの)の分泌を促す物質です。他の貝の外套膜を小さくカットしたものが使われます。

核入れは非常に高度な技術が要求されます。
核入れが成功すると、貝の中の真珠袋の中で、少しずつ真珠層が形成されます。

核入れを行った母貝は、穏やかな海に戻されます。

本養殖

核入れから2年ほど、海中で養殖します。
この間にも定期的に健康状態のチェックや異物の除去などを行い、手間暇をかけて母貝の成長を促します。
母貝を丁寧に育ててあげることで、テリとマキの良い、美しい真珠が形成されます。

浜揚げ

浜揚げした母貝の殻を割り、真珠の状態を確かめます。
商品になるものとそうでないものを選り分け、さらに商品となるものを大きさや色、形などで細かく分類していきます。
私たちが眼にする真珠は真球のものですが、貝の中で形成される真珠は形のつぶれたものもあります。そういったものを取り除くのもこの段階です。

その後、ネックレスやピアスなどのアクセサリーに加工され、私たち消費者の手に渡ります。

養殖真珠を知るならミキモト真珠島へ

三重県の伊勢志摩、鳥羽駅から徒歩10分の場所にあるミキモト真珠島。
実はここで、世界初の養殖真珠が生み出されました。
今回はミキモト真珠島にお邪魔して、養殖真珠について調べてきました。

世界で初めて真珠の養殖に成功したのは日本人

あまり知られていませんが、世界で初めて真珠の養殖に成功したのは、日本人の御木本氏です。
この御木本氏がミキモトの創設者となりました。

御木本氏はうどん屋「阿波幸」の長男に生まれました。生家は真珠どころか海鮮にも関係ありません。
しかし転期が訪れます。
家業を手伝いながら青物や海産物の行商を行っていた際、横浜などで高値で取引される天然真珠を見て、その価値に強い衝撃を受けたのです。
さらに水産学者らの助言を受け、真珠の養殖を決意します。
周囲から「変人」「山師」と嘲笑されながらも、赤潮の被害や盗難などの度重なる試練を不屈の闘志で乗り越えました。
そして決意から数年の時を経て、御木本氏は世界で初めて半円真珠の養殖に成功します。
この時、世界で初めての養殖真珠が生み出されたのが、現在のミキモト真珠島です。

海女の実演で歴史を感じよう

ミキモト真珠島では定期的に海女の実演が見られます。
白い磯着に身を包み、小型ボートから海へダイブ。
ほぼ垂直に海中へ潜り、海底から貝を獲ってきます。
海面に浮かべたタライに獲物を入れて、再び潜る。
ベテランほど早く沢山獲ってきます。写真が追いつかないほど。
画像では伝わりませんが、海には笛のような音が響いていました。
ベテラン海女が呼吸を調節するための、熟練した技の一種だそうです。

現代ほど機器が揃っていなかった頃、海女は養殖真珠に欠かせない人々でした。
海へ潜り、真珠の核を埋め込むアコヤ貝などを獲ってきて、核を埋め込んだ貝を再び海底へと戻します。
嵐が来れば、核を埋め込んだ貝を安全な場所に移します。
海女がいなければ養殖真珠は成り立たなかっただろうとさえ言われるほどです。
しかし一般社団法人 相差海女文化運営協議会「海女小屋相差かまど」によると、現在海女は全国に約2000人ほどだそう。
海女が漁場でアワビやサザエを獲る姿を見られる場所はほとんど残っていません。
ミキモト真珠島を訪れたら、ぜひ海女の実演をご鑑賞ください。

ミキモト直営の美しい真珠が手に入る

真珠島内にはミキモト直営のジュエリーショップが入っています。
こちらでは安価なものから超高価なものまで、さまざまな真珠のジュエリーが販売されています。
子どものお土産にもなる千円台のネックレスや、真珠が数連連なった高額のジュエリー。
老若男女誰しもが手に取りたくなる真珠をぜひご堪能ください。

まとめ

天然真珠は偶然が重なってできた奇跡のような真珠のこと。
養殖真珠は安定供給される真珠のことです。
市場に流れている真珠のほとんどが養殖もの。ですが天然ものよりも形が良く、テリも艶もあり、美しい真球をしています。
装飾品として楽しむのであれば養殖真珠がおすすめです。

より深く真珠について知りたいなら、ミキモト真珠島に赴いてはいかがでしょうか。
天然真珠のジュエリーを鑑賞し、アマの実演を見た後、ジュエリーショップに並ぶ数々の真珠アクセサリーを堪能できます。近くには鳥羽水族館や遊覧船などもあり、観光にも最適です。

執筆・監修:ダンシャリ銀座 貴金属・ブランド品担当鑑定士
宝石・貴金属・ブランド品・骨董品の査定を専門に担当。遺品整理や相続にともなうジュエリー買取のご相談を数多く承っています。
公開日:2026年9月18日 / 最終更新日:2026年9月18日
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