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  • 2025年8月22日
  • 2025年7月14日

ハイブランド買取物語4 ゴールドのインゴット 林拓真の場合 

世代交代

林拓真(仮名)は白衣を脱ぎロッカーのハンガーにかけると、靴を履き替えレザーバッグを持って通用口から出た。
「林医院」と大きく掲げられた看板を一度見上げ、自宅へと足を向けた。

人混みに揉まれながら電車に乗り込み、人をかき分けて降りる。
そして郊外の広い一軒家に入っていく。

妻と食卓を囲みながら、とりとめもない話をする。これがいつもの林家の風景だ。
ところが今日は風向きが少し違った。
「ねえあなた、そろそろ祐希に医院を継がせない?」
驚いて味噌汁を吹いてしまった。
祐希とは林の息子である。まだ研修医のはずだ。
「急に何を言い出すんだ。まだ早いだろう」
「だってあなた、そろそろ65歳でしょ。引退を考えてもいいんじゃない?」
「それは……まあ……」
白いものが混じった頭を掻いた。

来年には65歳。
前期高齢者にあたる年齢だ。
まだまだ若いと自負しているつもりではあるが、対外的に見れば若くないのだろう。

「私、まだ体が動くうちに世界旅行に行きたいの。祐希に後を任せて、のんびり旅行しましょうよ」
「旅行か……」

そういえばもう何年も行っていない。
独立してから一度も行っていないのではないだろうか。

もともと林は旅行好きである。
妻とも趣味が同じということで意気投合し結婚した経緯があった。
「考えておくよ」

隠居の前にやるべきこと

「……まさか本当に継がせることにはるとはなあ」
祐希は研修医を無事に終え、そのまま林医院を継いだ。
息子に1年間みっちり仕事を教えた後、林は引退を決意した。

「それじゃ、約束の世界旅行に行って……」
「あなた、その前に!」
世界中の風景に想いを馳せていた林に妻が水を差す。
「なんだいきなり」
「昔買ったインゴット、そろそろ売りませんか?最近高騰してるんですって」

独立する前、大病院で働いていた時に営業マンがやってきて買ったのだ。いまの今まですっかり忘れていた。
そういえば営業マンがしきりに「資産になりますよ!」と言っていたな。
何度か買い増ししたので、相当な量になっているだろう。
しかし……

「高騰って言っても、大したことないだろ?」
『24金1gで1万6000円だそうよ」
「ええ!?」

金の高騰と決断

驚きの声をあげてしまったが、それもやむなし。
林がインゴットを買った2003年当時、金はgあたり2000円を切っていた。
それが今や1万6000円……
たしか今持っているインゴットは100gが10本だから、全て売れば1千600万円だ。
合計200万円程度で買ったはずだから、利益は……

1千400万円!?

今の年収ほどの金額だ。
税金が発生するだろうが、それを差し引いても莫大な金額を手にすることは確実。
売ろう。
林は素早く判断を下した。

「もっと待てばさらに高くなるかもしれないけど……」
「いや、もうじゅうぶんだ。売って医院の補修やなんかに使おう」
こうして林は金の売却先を探し始めた。

ハイブランド買取専門店に金を売る

最初に考えたのは銀行だ。
しかし銀行では金を取り扱っていないらしい。

次に検討したのは金の専門店である。
専門店なので信用できると踏んだ。
しかしいかんせん店が近くにない。

次に金も取り扱っているハイブランド買取専門店も検討した。
最終的にこちらに売ることに決めた。
金の専門店とほぼ同じ手数料で売却でき、かつ他のブランド品も一緒に引き取ってくれることが便利だったからだ。

インゴット売却の日、林は妻と共に自宅にいた。
玄関のチャイムが鳴り「ごめんください」と若い男の声がした。
買取専門店の鑑定士がやってきたのだ。

林は売却するにあたり、出張買取を依頼した。
インゴットを店まで運ぶのは危険だと判断したためだ。

やってきた鑑定士は丁寧に自己紹介し、手慣れた様子でインゴットを鑑定し始めた。
さらに妻の使わなくなったルイ・ヴィトンやシャネルのハンドバッグも10点ほど鑑定してもらった。
鑑定士はさっと電卓を取り出すと、うやうやしく査定額を提示した。
「このくらいになります」
提示された金額は予想どおり1千万円を超えていた。
「それで買い取ってください」
「では振込で」
というやりとりをした後、鑑定士は言いづらそうに続けた。
「譲渡所得による税金がかなり多額になりますが、一気にお売りになりますか」
「はい、分割して売るのは煩わしいので、もうすべて買い取ってください」

実は売却する前、かかる税金について税理士に相談していた。
税理士は税額を計算してくれたので、おおまかな金額は分かっている。かなりの額だということも。
しかし世界旅行に旅立とうとしているし、自分自身がいつまで元気か分からない。
相続させるなら現金の方が息子も喜ぶだろう。

数日後、林に銀行口座に1千万円超の振込がなされた。
これを医院の看板や屋根などの補修に使い、最新機器の頭金にもした。
医院はぴかぴかに輝き、息子からも感謝された。

人生はまだまだ楽しい

「海風って久しぶりね」
『そうだな」
林はいま、世界一周の船旅の真っ最中である。
以前から計画していた医院の補修をインゴット売却金で賄えたので、世界旅行の旅費はかなり多額を注ぎ込めた。

これからゆったりと、第2の人生を謳歌するつもりだ。