2020年11月29日
2021年2月5日

ロレックスの鑑定方法〜譲り受けた時計が本物か調べたいなら

ロレックスは高級ブランド時計として不動の地位を築いていますが、そのネームバリューから多くのニセモノも世にはびこっています。遺品整理や贈与などで譲り受けたり、ネット取引で購入したりして手に入れた時計は、ニセモノかもしれないと疑ってしまいますよね。

今回は真偽のわからないロレックスを自分で鑑定する方法をご紹介します。より正確な真偽が知りたい方には、少し手間ではありますが正規店を通じて確認する方法もお伝えしています。

ロレックスが本物かどうか鑑定するポイント

ロレックスの本物とニセモノの根本的な違いは「プロが手間を惜しまず作っているかどうか」です。本物はプロの手により一つ一つ細部まで丁寧に作られています。

一方のニセモノは大量生産優先の雑な作りです。大雑把には本物に似せられたとしても、細かい部分はアラが見つかるもの。

「本物は細部まで精巧な作り」ということを念頭に置いて鑑定しましょう。

ケース部分の刻印

最初に確認すべきはケース部分の刻印です。本物は本体からブレスレットを取り外した際に、リファレンスナンバーとシリアルナンバーが刻まれていることが確認できます。この刻印が見当たらない場合はニセモノの可能性が濃厚です。

ロレックスのクラウンマーク

ロレックスのブランドマークである「クラウンマーク」。クラウンマークはブランドの看板とも言える大切な部分ですから、非常に精巧に作られています。本物のマークはツノ部分が一つ一つシャープで、頭に当たる部分は大きく開いています。ツノの間隔がまばらだったり、頭に当たる部分が狭かったりするならニセモノの可能性が高いでしょう。

バックルの刻印

バックルにもクラウンマークやROLEXのロゴマークがありますが、ここも鑑定のポイントです。

まずこのロゴは印刷ではなく刻印されているものなので、必ず溝があります。またROLEXの文字以外は全て左右対象に作られています。

ロゴを指でなぞって溝が感じられなかったり形がいびつであれば、ニセモノの可能性が高いでしょう。

針の仕上がり

時計の針をルーペなどで拡大して観察しましょう。本物の針は真正面からも横からもキレイな仕上がりに変わりありません。ニセモノの場合はというと、磨き残しがあり仕上げにアラが見受けられます。針の側面すらシャープに磨き上げられているのが本物の証です。

カレンダーなどの塗料

当然ながら本物の時計は日付のインク塗りも非常に美しく仕上げられており、数字はしっかり中央に見えるようにデザインされています。塗料に剥がれが見えたり、カレンダーの数字が左右上下に寄っているならニセモノを疑いましょう。

>針やカレンダーの動き方

ロレックスは非常に繊細な動きをする時計です。針は流れるようなスムーズな動きをしますし、午前0時になった瞬間に日付が切り替わります。

秒針がカチッカチッと動いたり、カレンダーが時間とともに徐々に変化していくようならニセモノかもしれません。

ガラス面の傷や透かし模様

現在作られているロレックスの時計は全てサファイアクリスタルという特殊な鉱石が採用されています。サファイアクリスタルはダイヤモンドの次に硬い鉱石ですので、ガラス面が擦り傷だらけになることは滅多にありません。　同じロレックスでも1970年ころよりも前になると風防にプラスチックが使われていますので、現代のロレックスと比べるとキズがつきやすいですが、少しくらいの傷なら磨きの修理ができます。

ロレックスのガラス面には、うっすらとクラウンマークの透かしが入っています。（画像でお見せしたかったのですが、カメラにおさめるのが難しくあきらめてしまいました。）　6時のインデックス付近にあり光の角度によって見えますが、文字盤の黄色のせいもあってか、かなり見えづらいです。　本物の透かしは肉眼ではほとんど見えず、ルーペで拡大してようやく見えるかどうかといった程度の濃さです。このマークが確認できなかったり、逆によく目立つようならニセモノと疑ってかかりましょう。

ブレスレットの面取り

ブレスレットやラグを指でこすってみましょう。少しでも「痛いな」と感じるようであればニセモノかもしれません。

本物のロレックスは制作の最終段階で必ず面取りが行われます。着用する際に痛みを感じたり、肌に傷がつかないように配慮されているのです。

しかしニセモノはコスト削減のため丁寧に研磨されることはまれです。そのため実際に触って確認すると両者の違いは歴然なのです。

少しでもざらついたり、引っかかったりするならニセモノの可能性が高いでしょう。

ブレスレット側面のネジ

本物はネジ１本に至るまで丁寧に作られ磨きこまれています。まずネジの周りに全く隙間がありません。当然ながらネジの長さもブレスレットの幅と同じサイズです。ニセモノはネジの周りに隙間が見られたり、ネジの長さがブレスレットより短かったりします。

リューズの面取り

ブレスレット同様、小さなリューズも隅々まで面取りされています。そのため周りのギザギザが少し丸みを帯びており、つまんでも痛くないように作られているのです。ニセモノは面取りがされていないか、かなり雑です。そのためリューズを回そうとするととても痛く感じます。

音

本体に耳を当てて時計が発する音を聞いてみましょう。本物は「シュルシュル」という独特の音がします。これは機械時計のムーブメント特有のもので非常に特徴的です。

一方ニセモノは「カラカラ」や「カタカタ」といった乾いた音がします。

セルフ鑑定では見極められないことも

一口にロレックスのニセモノといっても、一目見てニセモノとわかるものから判断がつきにくいものまで様々です。特にスーパーコピーと言われる精巧な作りのニセモノは、それと知らずに長年着用して、売却時に初めてわかることもあります。　（買取店で判断してもらうのも一つの手段ですのでもし気になる方はダンシャリ銀座にお問い合わせください）

正規店以外でロレックスの時計を購入した際は「自分でチェックしたから大丈夫」と思い込むのは大変危険です。

より確実な鑑定方法は「ロレックス正規店へオーバーホールを依頼する」

お手持ちのロレックスの時計が本物かどうかを見極めたいときは、ロレックス正規店に「本物です」と証明してもらうのがベストですよね。では正規店に時計を持ち込んで鑑定してもらえるのかというと、さすがにそんなことはありません。

そこで利用したいのが「正規店のオーバーホール」です。どのように鑑定されているのかは不明ですが、正規店がオーバーホールや修理を請け負うのは本物のロレックスだけです。つまり「正規店のオーバーホールを受けられた」ことは、それすなわち「本物」の証明になるのです。

日本ロレックスにオーバーホールの見積もりを依頼してみてください。その段階で跳ね返されることがなければ、本物であると言えるでしょう。

オーバーホールの依頼は保証書等の書類がなくても受付可能です。

少し手間はかかりますが、確実に本物かどうかを見極めたいのならオーバーホールの依頼をするのがベストです。

ただ30年以上前に作られたロレックスの時計の場合正規品であってもオーバーホールを断られるケースがあります。　ロレックスに交換用の部品のストックがない場合はロレックス社でのオーバーホールができませんので注意が必要です。　　オーバーホールや修理を断られても正規品である可能性もあります。

またアフターだーいやなどカスタムしたロレックスは正規店でのオーバーホールは受け付けてもらえませんので、これも正確な判断が必要になります。

まとめ

ロレックスを鑑定し安心して使い続けよう

お手持ちの時計がニセモノかもしれないと疑いながら使い続けるのは、精神衛生的にも良くありませんよね。長年愛用していざ売却しようとした矢先にニセモノだと判明したらショックは計り知れません。また、自分は本物だと思ってネットで売却したものの、購入者から「ニセモノをつかまされた！」と損害賠償を起こされてはたまったものではありませんよね。

セルフ鑑定やロレックス正規店のオーバーホール依頼などを上手に使って時計の真偽を鑑定し、信頼できる本物のロレックスとともにこれからも時を刻んでください。